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ブルーナさんのバリアフリーの絵本をまとめてみました
うさこちゃんシリーズでおなじみのディック・ブルーナは、『ろってちゃん』のように、直接的ではないにせよ、人種差別や障がい者問題をテーマにした絵本を作っています。
『うさこちゃんとにーなちゃん』『うさこちゃんとたれみみくん』なども。肌の色がちがっても、片耳が垂れていても、大切なお友だちであることにかわりはありません。子どもたちは、絵本を楽しむことで、ブルーナからのメッセージを自然に受け止めることができます。
◇◆『ろってちゃん』◆◇ 2016年3月福音館初版
「あーは」とふたごの「こーす」「けーしぇ」の3人が学校の校庭でボール遊びをしていると、「ろって」がやってきました。「ろって」は歩くことができません。だから、どこかに行きたいときは手で車いすを動かします。ボール遊びをしていた「あーは」は、「ろって」にいっしょに遊ぼうと声をかけます。すると、「こーす」と「けーしぇ」は不満顔。車いすの子が入ったら、ボール遊びがつまらなくなると思ったのです。でも、「あーは」はちがいました。「ろって」を入れてあげないなら遊ぶのをやめると「あーは」が言うので、「こーす」と「けーしぇ」は仕方なく「ろって」といっしょにボールで遊びはじめると……。
「ろって」はとってもボール投げが得意だったのです。ボール遊びは3人のときより、もっとおもしろくなりました。みんなは遊び終わったとき、いちばんうまいのは「ろって」だなと思いました。楽しく遊んだ子どもたち、すっかり仲良くなって、また明日遊ぶことを約束してわかれます。
(文・絵 ディック・ブルーナ/訳 まつおか きょうこ/2017年/福音館書店」)
福音館で初版に至るまでのお話
あのねメール通信バックナンバー(2016年3月16日Vol.208)
「絵本編集部から」に記載あり
お求めは Amazonで
※2000年講談社版発行については下に記載
◇◆『うさこちゃんとたれみみくん』◆◇
うさこちゃんのクラスに「だーん」という転校生が来ました。その子は他の子と少し違って片方の耳がたれていたので、クラスのみんなに「たれみみくん」とよばれるようになりました。でも、だーんと親しくなるにつれ、うさこちゃんは思いました。「だーん」という本当の名前があるのに、「たれみみくん」なんて呼ばれて、だーんはいやじゃないかしら。だーんにきいてみると、だーんは「うん、いやだよ」と言います。そして「ぼく、もう なれてるから。それに、みんながぼくのことをもっとよくしったら、かわるんじゃないかな」。でも、それでいいのでしょうか。うさこちゃんは一晩考えて、あることをクラスのみんなに話しました。そうしたら、みんなは……。
新しい友だちのことを思いやるだけでなく、その子のために、勇気を出してクラスメートに働きかける--うさこちゃんの大きな成長が感じられます。どこの国でも(うさこちゃんの世界でも!)、友だちとの関係は、難しくて楽しいのですね。うさこちゃんのクラスメートは、うさこちゃんのよびかけに、ちゃんと応えてくれましたよ。
(文・絵 ディック・ブルーナ/訳 まつおかきょうこ/2008年/福音館書店)
ストーリー:http://www.fukuinkan.co.jp/detail_page/978-4-8340-2317-6.html より参考
◇◆ベン『ぼくのだいじなあおいふね』◆◇
お話の主人公 ベンは4歳は耳が良く聞こえない少年で補聴器をつけています。
ベンは、口の動きを見て言葉を理解します。
難聴児の日常と心の内を、明快な文とブルーナの温かく明るい色調の絵でわかりやすく丁寧に描かれていて
あとがきにはこう書かれています
「大切なことは聞こえ方がどうのこうのととらわれず,愛情を持って意志を伝えあうことです。とにかく話かけてみましょう。さあ、語りかけてください!」
(文 ピーター・ジョーン/絵 ディック・ブルーナ/訳 なかがわけんぞう/1986年/偕成社)
◇◆『うさこのにゅういん』◆◇ 福音館書店
◇◆『うさこちゃんとにーなちゃん』◆◇ 福音館書店
◇◆『うさこのだいすきなおばあちゃん』◆◇ 福音館書店
◇◆『うさこちゃんとあかちゃん』◆◇ 福音館書店
◇◆『あかちゃん、こんにちは! 未熟児ってなあに』◆◇ 講談社 絵:ブルーナ
◇◆『ちいさなロッテ』◆◇*廃盤
仲良し3人組がボールなげに夢中になっていると、車いすに乗ったロッテがやってきます。ロッテに気づいたベスが「いっしょにあそばない?」と声をかけると、ピップとペーターはなんだかふきげんになってしまいました。「つまんなくなっちゃうよ」と文句を言うふたりに、ベスは「ひどいわ」と怒ってしまいました。ふたりはしかたなくロッテといっしょに遊びはじめますが、ロッテはボールあそびがとても上手。ゲームはもっと盛り上がりました。最後は「あしたもいっしょにやろうね」と約束した4人。「またあしたね」とロッテはおうちへ帰っていったのでした。
(文・絵 ディック・ブルーナ/訳 かどのえいこ/2000年/講談社)*廃盤です